生活相談員の挨拶

生活相談員の一番大切なことは「傾聴の姿勢」です。傾聴が出来て初めて、相談場面がスタートすると言ってよいと思いますが、同様に求められる態度として、「受容」の態度が大切です。

そして受容の根底には「共感的理解」が不可欠です。共感的理解とは、単に「分かる」ということではなく、あたかもその人であるような状態で、相談者である、ご本人様・ご家族様の私的世界を相談員も自分のものであるように感じることです。

「分かる」ことでも「分かったつもり」になるのでもなく、「分かろうとする過程」すなわち「共に理解しようとする姿勢」、そして人はそれぞれ違った考え方や感じ方を持ち、そこに人の独自の生き方や考え方があるのだからその全てを許容しないとしても「そういう考え方もあるのだ」というふうに受容することが「共感的理解」だと思います。

コミュニケーションとは、場合によっては容易であり、場合によっては困難です。言葉を交わさなくても相手の心の動きや感情が理解できる関係がある一方で、どんなに言葉を重ねても想いが伝わらないことがあります。それだけコミュニケーションは難しいということですが、私達生活相談員が、ご本人様・ご家族様と接し、対するときは常にそうした困難さと対峙せざるを得ません。もしコミュニケーションの困難さを感じなかったとしたら、相談者の親身になれていない、十分に心を寄り添わせていないということです。

だからどんなに経験を積んで知識を得ても常に他人の気持ちを共に理解しようとする基本的態度が不可欠だし、常日頃、そのことを意識して関わる必要があるのだろうと思います。大事なことは、私達生活相談員が専門知識と技術を持ちますが、だからといってご本人様・ご家族様の全ての問題を解決する答えを持っているわけではなく、その答えを引き出す手助けをするために、共に悩み、共に考え、共に歩む必要がるということです。

これは生活相談員として大切なことではありますが、生活相談員に限った事柄ではなく、「家族の家ひまわり市が尾」に働く全てのスタッフ、この仕事に携わる全ての職員にとって大切であり重要な事と思います。


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