ケアマネージメントとは

サービスを利用する仕組み

コンピュータによる1次判定、審査会による2次判定を受け、市町村は最終的な認定を行い、その結果を個々の被保険者に通知します。被保険者は、この通知を受け介護保険サービスを利用することになります。

ただ、これまで介護保険という制度がなかったため、保険サービスが利用できると言われても、どこにどんなサービスがあるのか、自分に適したサービスがあるのか、自分に適したサービスはどのようなものなのか、といったことが一般の人にはわかりづらいものです。

そこで、要介護保険者の一人ひとりについて、あなたはこうしたサービスとこうしたサービスを組み合わせたらいいですよ、そのためにはここにこんなサービスを提供してくれる事業者がいます、といったアドバイスをしてくれるしくみが必要です。このしくみを居宅介護支援事業=ケアマネージメントといいます。

具体的には、介護上の問題点や課題を明確にし、介護の長期・短期の目標をたて、その達成に向けてサービスの利用を支援し、利用しているサービスの内容が適しているかどうかを継続的にチェックしていくのがケアマネージメントの全体像です。ただ、あくまでもどのようにしたいか、そのようなサービスを利用するのかは要介護者が自分自身で決めることです。

ケアプラン作成が給付の条件

介護サービスを受けるためには、施設では施設介護計画を事前に作成しなければなりません。 また居宅で生活しながら利用する場合には、居宅サービス計画を作成し、国保連合会に提出しておく必要があります。

いずれにせよ、そうしたケアプランの作成は、要介護者の意向にそってケアマネージャーが案を作成し、ケア担当者会議を設定して討議し、つくりあげていきます。最終的には要介護者本人が決定することになります。

要介護者の意向にそってケアプランを作る

先でも少し触れましたが、介護支援専門員(ケアマネージャー)の役割をもう少し詳しく見ていきましょう。

介護の認定が行なわれて、給付される金額が提示されたとしても、介護が必要な高齢者には自宅近くにどのようなサービスがあるのか分かりません。また、どういったサービスを組あわせて利用すると、自己負担がいくらになるのかについても計算が必要です。

介護保険では現金給付は行なわれません。介護保険から出る給付の枠内でどのくらいのサービスを利用するのかは、単価と要介護者の状態、更にその人の希望や生活スタイルによって変わってきます。

ケアマネージャーは要介護者の意向にそって(例えば「夜間のオムツ交換にヘルパーがきてほしい」人には巡回サービスを導入するといった具合に)ケアプラン案を作り、サービス導入の援助を行なっていきます。

一人ずつのケアプラン

ケアプランは一人ずつ異なります。例え介護度が同じでも、その人の生活スタイルや本人の考え方、家族状況、住まいや地域サービスの状況が異なるからです。

医療ニーズが高い人には、訪問看護や居宅療養管理などのサービスが必要です。社会とのつながりを重視したい人には通所サービスを増加した方がいいでしょうし、自宅でサービスを受けたい人は訪問サービスに比重を置くようにします。

一人暮しの人や家族の有無によってもサービスの種類や自宅に来てもらう時間帯は異なってくるでしょう。さらに、保険外のサービス(たとえば一人暮しの人への給食サービスや緊急通報サービスなど)を組合せ(ケアパッケージ)たり、量を上乗せ(自費でもサービスを増やしたい人にはホームヘルパーの日数を増やす)したりなど様々に組み合わせるのです。

こうしたサービスの状況を踏まえ、一人ひとりのケアプランをつくりあげていくのがケアマネージャーなのです。

ケアマネージャーは訪問調査の段階から変わる

さらに、前項で述べたケアマネージメントにも、ケアマネージャーは要介護認定の段階から訪問調査員として委託を受け、かかわることが多いようです。

ケアマネージャーの役割
  • 地域の要介護者やその家族等への相談や助言を行う
  • 介護保険の用介護認定の申請手続きや更新の代行
  • 市町村から依頼された場合には要介護認定の訪問調査を行う
  • 要介護者や要支援の認定を受けた人(受けたい人)からの依頼による、その人の状態や介護ニーズ把握をアセスメント票を活用して行う(アセスメント)
  • 介護上の課題を明らかにする
  • 要介護者の希望とアセスメントにもとづき介護計画(ケアプラン)案とサービス計画を作成する
  • サービス計画に関係しているケアの担当者会議を開きケアプランを見直す
  • ケアプランにもとづくサービス提供の実施をコーディネートする
  • 国保連合会にサービス給付管理表を提出する(サービスプランの提出)
  • 定期的にケアプランの実施状況やニーズとの適合性をモニタリングし、介護ニーズに大きく変化がある場合にはケアプランを変更する
  • 利用者ごとに6ヵ月になる前にケアプランの見直しをする
  • 介護保険施設に入所を希望する人に対しては連絡調整する介護サービスの内容や利用に対する苦情の受付とそれに対する取次ぎ

介護支援事業者がケアプランを作成

ケアプランは要介護、要支援者の個別の介護課題を明確にし、その解決と実現の為に作られるものです。

要介護者自身が自分でケアプランをたて、国保に提出することも出来ますが、ほとんどの場合は介護支援事業者(ケアマネージャー機関)が要介護者の依頼を受けてケアプランを作成します。介護支援事業者がケアプランを作成するといっても、実際に策定するのはそこにいる介護支援専門員(ケアマネージャー)です。つまり介護支援事業者として登録されるためには都道府県の指定を受けるとともに、介護支援専門員の常駐が義務づけられているのです。

アセスメントルールを利用してケアプランを作成

ケアマネージャーがケアプランを立てるとき、自己流で作成することは認められませんが、定められた項目を組み入れて策定することは自由にでき、その際は6種類のアセスメントツールにはこだわりません。

ケアプランの作成手順は要介護者等の状態を把握し、その介護上の問題点やニーズを抽出することから始めます。その方法としてアセスメントツールが使われます。そしてケアプランを立て、その実現のためのサービス導入計画を立てます。通常は自宅を訪問して状態把握やニーズ把握を行い、ケアプランの案を作成します。

ケア担当会議の開催

ケアプランの案が出来ると、次にサービス提供者の会議を開催し、ケア目標やそのための実施計画について検討します。ケア担当者会議には、要介護者本人や家族なども出席することが望まれます。会議が出来ない場合はケアマネージャーが個別に調整を行ないます。

最終的には要介護者がケアプランの決定をして初めて正式のケアプランとなります。

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